□ 月と少女と黒猫と。 (3505) (04-06-11 01:30)
月姫&歌月十夜>ほのぼの | 短編読切 弓塚さつき レンちゃん
メルブラRe・ActSSです。
さつきとレンのちょっとしたお話です。
―――――――――
「……猫?」
暗闇さえ真昼の如くに捉える吸血鬼の眼でなければ見落としかねない程に、
夜の闇に溶け込んだ黒猫が一匹、不思議そうな瞳で彼女を見上げていた。
「こんばんは、黒猫さん。
お散歩中なのかな?」
───リン。
また一つ鈴の音。
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メルブラRe・ActSSです。
さつきとレンのちょっとしたお話です。
―――――――――
「……猫?」
暗闇さえ真昼の如くに捉える吸血鬼の眼でなければ見落としかねない程に、
夜の闇に溶け込んだ黒猫が一匹、不思議そうな瞳で彼女を見上げていた。
「こんばんは、黒猫さん。
お散歩中なのかな?」
───リン。
また一つ鈴の音。
かつて、志貴と青子が出会い別れたその場所で。
幹也と青子が邂逅し、二人は互いの物語を語りあう。
そんな、月蝕をイメージしたSSです。取り合わせとしては珍しいかもしれません。
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「えーと、その・・・こんばんわ。気持ちの良い、夜ですね」
「そうね。一人で風を浴びるには悪くない夜だわ。
でも、二人では多すぎるかな」
にべも無く、無愛想に彼女は言い放つ。
つまりは、僕は邪魔だというわけらしい。
ある夏の日に、幹也の死を予言した少女は彼と再び出会う。
瀬尾静音ちゃんと幹也の再会のお話です。
――――――
「黒桐さん、その、目……」
信じたくなくて、「見えていないのか」、と言葉に出来なかった私の問い掛けに。
黒桐さんは、一瞬だけ考えるような目をしてから、それでも静かに首を縦に振る。
アルクTrueEND後のお話です。
互いを夢見る二人に訪れたのは。
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「無事なのか? 無事なんだな?! あいつ! そうなんだな?」
「いいえ、無事じゃないわ。彼女はもうお終い」
手荒く体を揺すられながら、平然たる口調で彼女はそう告げた。
「―――っ、な」
「そんなこと―――あなたは、知っているはずでしょう? 遠野志貴君」
冷たさも、暖かさも。嘲笑も、同情もない。
一切の意図のこめられていない言葉は、それだけに、どうしようもなく絶望を語る。
伽藍の堂の面々の、騒々しい日常の一コマです。
―――――――――
「これ、やっぱり魔法の品なんですか? 所長」
「まあね―――っと、そう露骨に顔をしかめるな黒桐。
別に危険な品、という訳でもないんだから」
橙子さんが魔法の品、なんて持ち出してろくな目にあったことがない僕は、
どうやら自然と顔をしかめていたらしい。
橙子さんの魔法の箒に、幹也君が連れ去られてしまいます。
それを助けるべく、式と橙子さんは――――。
いつものように、数回のコール音のあと、留守番電話に切り替わる。
流れてきたのは、起きぬけには聞きたくない人物の声だった。
「私だ。起きているか、式。いきなりだが、すぐに事務所までくること。
仕事というわけではないんだが、
不幸な事故でうちの従業員が空に上がってしまってね。
一人では降ろすのに難儀しそうなんだ。
というわけで、起床次第すぐにくること。
来なくてもいいが、放っておくとどこぞの国の対空ミサイルに
撃墜されるかもしれん。
――――ああ別に、それはそれで面白いかもしれないね。
やっぱり来なくてもいいぞ、式」
ガチャンと、電話が切れる。
・・・つくづく思うのだけれど。
やはりあの女と私の思考回路は違いすぎる。
痛覚残留後の藤乃を巡るお話です。
彼女の影で蠢く魔術師達は。
─────────
「いつか───、思い出せるのですか───?」
記憶も。
そして、痛み、さえも───?
「ええ。そうですね。
無くしてしまったものは戻りはしませんが、
忘れてしまったモノはいつか必ず返される。君が───」
玄霧先生は、とても穏やかに。
でも、とても哀しげに微笑んで。
───そして。頷いて。言った。
/
「───君が、それを───望みさえ、すれば」
もし、メルブラに『彼女』の出番があったら、どんなかな〜という作品です。
誰でも思いつくお話なので、軽く読み飛ばしていただければ幸いです。
ちなみに、Kパート直前を意識していたりします。
(「SS倉庫」の「小ネタ集」においてあります)
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ぎしり。
再び、なにかの軋む、音。
それが、志貴が固く握り締めた手の骨が軋む音だとは、気付かなかった。
「うん。ピンチの時は、助けてくれるっていったよね。
その、約束。シオンは私を殺すつもりみたいだから。
―-酷いよね、私とも、『私』とも、『同類』のくせに」
無邪気を装った、冷たい嘲笑に、体中の血液が憤怒のために脈打った。
―――それでも、私には、引き金は、引けなかった。
空の境界SSです。
ほのぼのなんだか、ギャグなんだか中途半端な感じです(苦笑)。
「これは?」
顔を上げて秋隆さんに尋ねると、彼は真顔のまま言い放った。
「玉手箱でございます」
・・・一瞬、僕の頭の中を亀に乗った浦島太郎が横切った。
第四回TYPE-MOONキャラ人気投票の支援用の小ネタです(笑。
小ネタ置き場においてありますので、読み流して下さると幸いです。
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「『という訳で』、と言われても、どう言う訳かわかりませんけど、所長。
なんなんですか。戦争って」
思わず顔を上げてしまった僕の疑問に、橙子さんは、真剣そのものの表情で頷いた。
「言うまでもない。『第4回TYPE-MOON人気投票』だ」
「・・・そうですか。大変ですね」
そう言って、僕は再び机に広げた書類に眼を落とす。
式が習い事をしている、と知った鮮花と橙子の反応は。
ドラマCDの内容にちょっと触発された小ネタです。
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「式が習い事……ですか?」
『伽藍の堂』の事務所の中で、コーヒーを飲みながらの休憩中、
僕が何気なく口にした言葉に、鮮花がきょとんとした表情で小首を傾げた。
「そう言えば、式って『一応』お嬢様なんですよね。一応。
普段が普段ですから、そんな事忘れてましたけれど」
空の境界の脇役達の会議のお話―――なのですが、
結局は秋隆さん、学人くん、幹也くんのお話になってます。
雑記に乗せていたものをまとめました。
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「納得いかないな!!」
コルネリアス・アルバが、叫んだ。
ヒステリックな響きに、円卓を囲む人間達は、一斉に不快な視線を彼に向ける。
守護者としてのアーチャーのお話です。
自己解釈部分が過多なのが、アレなのですが。
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「……お前が何故―――ここに、いる」
「痴れたことを」
皮肉に口元を吊り上げる弓兵は。
「―――守護者が呼ばれるのは、人の世の終わり以外に有り得まいよ」
そう告げて。英霊エミヤは、その両手に双剣を産み、笑った。
アルバと、荒耶のお話です。
野郎ばかりで、華がないのですが(笑。
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「やあ、待たせてしまったね。荒耶。弟子の講義が長引いてね」
しかし、そんなことに構わずアルバは大げさに両手を上げて、目の前の魔術師に詫びた。
―――当然、形だけの事ではあるが。
その形だけの儀礼に答えるように、彫像のように、仏像のように、あるいは死人のように。
ただ、そこにあっただけの魔術師はようやく口を動かし、瞼を開けた。
少し遅れてしまったバレンタインのお話です。
――――――
「あの、式……?」
「あのさ、幹也」
恐る恐ると口をひらく僕の言葉を遮って、
式は左手で軽くナイフの柄を指弾きながら、小さく笑って、訊いた。
「これ、誰から?」、と。
空の境界SS・CG大会『魔術師の宴』投稿作品です。
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「何故、見殺しにした」
その表情は、影になり常人なら窺い知ることは難しい。
だが、荒耶にとって、暗闇でモノのカタチを捕らえることなど造作も無い。
「それは、その女性のことですか。それとも貴方が殺めた別の誰かのことですか」
答える声は悲哀に満ちてはいたが、それでも、その少年は―――笑っていた。
「この女のことだ。貴様ならば、阻止する事も容易かろう。統一言語師」
空の境界SS・CG大会『魔術師の宴』投稿作品です。
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襲撃者としてはあまりにも一目を過ぎる赤い魔術師に、
蒼崎橙子が陰鬱な視線を向けた。
「多少なりとも目立たない格好をしようとは思わなかったのか? お前は」
「失礼だな。十分に地味だろう? 闇の中で映える炎程度の地味さじゃないか」
「闇夜で映えるのが地味ではない、といっているんだ」
そして物語は幕を下ろして。
───
「それより、戻れないとかいいませんでしたか……?」
聞き違いであって欲しいと願いながらの質問は、
「なんだ、聞こえていたのか」
なんていう平然とした蒼崎さんの言葉に、あっさりと肯定された。
「そ、それって、まさか、ひょっとしてずっとこのまま……?」
いつものメンバーがカラオケに行くことになるお話です。
N×Tくらぶ様の、眼鏡とか和服とか祭りに投稿させて頂きました。
「さて、式」
その式に向けて、橙子さんがマイクをぷらぷらと振って見せた。
「どうする? 約束どおり、無理強いはしないぞ?」
ああ、なんて意地悪そうな顔で笑うんだ、この人は。
その橙子さんを、式は、睨みつけ―――。
須啓さんから、式乳最多投稿賞としていただきました(笑)
唐突にかけられた言葉に、一人で納得してから僕は
声のした方向に視線を走らせた。
そこにいたのは見慣れた一人の少女。
もっとも、彼女が黒マントを羽織っている姿はさすがに見慣れてはいないけれど。
須啓さんからいただきました!!
「秋隆祭り」参加作品・34作目です。
秋子の部屋第3弾!
今回のお客様は荒耶宗蓮さんです。
須啓さんからいただきました。
「秋隆祭り」参加作品・27作目です。
事務所から一番近い場所にある居酒屋。
平日の夜ではあるが、店内のテーブルは全て埋まっており、
僕達も四人がけのテーブルを一つ占拠していた。
僕と秋隆さんが並んで座り、秋隆さんの正面に橙子さんが腰を降ろしている。
あとは、式が僕の目の前にいればいつもの布陣が完成するわけだけど・・・
須啓さんよりいただきました。
「秋隆祭り」参加作品・12作目です。
「うん、誕生日はまあいいとしてさ。秋隆さんの名字って、何?」
そうなのだ。もう秋隆さんと知己を得て、随分経とうというのに、僕はいまだ彼の姓すら知らないのだ。
我ながら、随分と失礼な話だと痛感している。
『そんなことも知らないのか、幹也』という式の呆れた返答を覚悟しいたのだけど・・・
当の式はあっさりと首を横に振った。
「知らない」