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予言者が、嗤う
(2177)
(04-03-22 20:28)
所謂、「正義の味方END」後のワンシーンです。
士郎の決意を見送った言峰が想うことをつらつらと
書いておりますです。
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「それが、それほど愉しいのか。言峰
その身には人の凶事こそ慶事に映るとは知っていたが、
己が身に起こる不幸にも酔える性質とは初耳だぞ」
衛宮切嗣。
前回の聖杯戦争において言峰綺礼が敗北した唯一の魔術師である。
その再来を喜ばしいとは、如何なる意味か。
揶揄を含んだその問いに、答える神父の口調は僅かに踊る。
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例えば手紙を貰った日
(3692)
(03-09-16 00:37)
式が貰った手紙について、あれこれ騒ぐ伽藍の堂の面々。
つらつら、ほのぼのと綴られる、そんな彼らの日々の一欠片のお話です。
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そんな兄の有様を見つめて、その妹が深く、ため息を付いた。
「完全にに、錯乱してますね」
「錯乱と言うより現実逃避だね。動揺していることには変わりはないだろうが」
鮮花の嘆息に、その師のほうは火のついていない煙草を指先で弄びながらも、
いかにも楽しげに笑う。
FateEND後のイリヤと士郎のお話です。
もう、イリヤに余命が残されていないことを知った士郎は。
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「一人で死ぬのは、嫌だから。
だから───ね、シロウ。一緒に、死んでくれないかな?」
今更ですが、初詣のお話です。
神社に訪れた伽藍の堂の面々は。
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「……帰る」
「ちょっと、待った! 式。短気すぎるぞ、それは」
開口一番、まるっきり本気の口調で言いはなって踵を変えそうとする式。
慌ててその手を引張り、引き留める僕を、式は不平満々の体で睨む。
「なんだよ。俺が短気なのは知ってるだろ」
「開き直らないの。
せっかくここまで来たんだから、ちゃんと詣でようよ。ね?」
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千の時を刻んだ果てに。
(1315)
(03-07-07 22:20)
PledgeLetterさんの「死徒祭」に出そうとして間に合わなかった作品です。
27祖における27位。千年錠の魔術師ことお笑い担当
コーバック・アルカトラスと二人の死祖の会話。
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一つ、楽しい遊びを覚えた子供のように、薄い笑みを浮かべたメレム。
やがて彼は、その瞳に浮かぶ光に僅かに冷たい色を混ぜ、告げた。
「タタリが終わったよ。コーバック」
「―――ほう」
小さく呟いて、一時、コーバックは沈黙した。
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囚われの姫 前編・後編
(2710)
(02-04-28 01:36)
黒桐君の夢の中、ということで。めちゃめちゃなお話です。後編も完成しました。
いろんなキャラに絡まれる黒桐君でした.
前編は式、アルバ、荒耶、鮮花が黒桐君と絡みます。
後編は秋隆、藤乃、玄霧、橙子、そして・・・
橙子さんは、興奮さめやらないまま、彼女を取り巻く人形たちを一瞥した。
「いけ、式人形たち。遠慮することはない。日頃からちゃんと躾ているだろう。
エモノは食い殺すものだ、と。
―――ま、この場合別な方法で食べちゃっても構わないんだが。
今回は、黒桐にいい目はあわせてやんない」
「何をしつけてるんですか!!」
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夕暮れに沈む夢の中。
(2298)
(04-06-05 00:52)
メルブラReActSSです。
ネタばれを含みますので、未プレイの方はご注意ください。
志貴END後のちょっとした蛇足っぽいお話です。
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どこからか吹いてくる風。
それに、さわさわと揺れてさざめく草むらを寝床にして、
遠野志貴は、そんな取りとめも無いことを夢うつつに考えながら
こうしてずっと空を見上げている。
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夢の中
(1071)
(02-04-12 00:24)
橙子さんでそれっぽい話を書きたかっただけです(笑。
橙子さんが今をどう思ってるのかな、という
点だけで書きました。
彼女の過去と現在との対話。
シリアスか?ほのぼのか?って中途半端ではあります(笑。
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夢の終わりに残すモノ
(2728)
(03-09-01 22:35)
アルクトゥルー後のお話です。
残された志貴と、それを見守る琥珀たちは。
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「ですから、お花見です。ご存知在りませんか? 志貴さん」
「いや、さすがに知ってるけどね。唐突だなあ、と思って」
と、思わずこぼした本音の呟きに。
「唐突なんかじゃありません! 全て、志貴さんのためなんですよ?」
「へ? 俺?」
琥珀さんは何故か、憤然として指を立てて俺に迫る。
いきなり元凶としてやり玉に挙げられた俺が戸惑う内に、更に琥珀さんは俺に詰め寄った。
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夢の終わりに誓った想い
(10575)
(04-02-09 01:36)
Fate初挑戦SSです。
セイバーEND後のお話になりますので、
ネタバレにご注意下さい。
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「う、それは」
「良かったわね、衛宮くん。人がいなくて」
こ、こいつは―――。
なんで、ここまで嬉々として人をいじめられるんだろうか。
「? 凛。何故、シロウが困るのです。
見ていた限りでは、ただ競争しているようにしか思えませんでしたが」
「朝っぱらから意味も無く競争する方が珍しいのよ。
可憐な女の子を朝から追い掛け回すっていうシチュエーションは普通じゃないわ」
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夢の記憶を刻んで
(10217)
(06-06-28 00:24)
Fate/hollow ataraxiaのSSです。
本編終了後、カレンに呼び出された士郎は。
―――――――――
「そうですね」
俺の問い掛けに、カレンは考え込むように暫し目を閉じてから。
「……あなたから話したいことはないのですか?」
「…………はい?」
なんて予想外の返答を、少し困ったような表情で返してきた。
それは、まるで自分から話すことはなにもないというような態度で。
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幕間。その世界の咎
(2941)
(06-02-19 23:15)
真実を知ってなお、戦いを続けるバゼットに
アヴェンジャーが思うこと。
――――――
その全てを受けて止めて、バゼット・フラガ・マクレミッツは
聖杯戦争を続けるといい、その夜を去った。
その言葉に、なお、変わりはないか。
そう問い掛ける言葉に。
「―――、始めます。
あなたは私の指示に従いなさ。サーヴァント」
感情を消した声で、マスターは終わらない聖杯戦争の、再開を告げた。
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平凡な1コマ
(1958)
(02-04-06 02:40)
空の境界のSSです。
冷静に読み返してみると、全然内容がないのですけれど(苦笑)。
レギュラーメンバーの会話で遊んでみたかったのです。
たわいない日常の一コマが少しでもかけていればいいと思います。
HPをつくってみたのでURLを更新しました。
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平行交差(10話。炎)
(8692)
(02-11-24 16:40)
空の境界SS、連載ものの10話目です。
橙子さんメインの予定が、すっかり鮮花メインに。
二ヶ月ぶりの更新ですが、覗いてやってくださると幸いです。
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いくつかの台詞を頭の中で、浮かべてみるが結局、適切な言葉は思いつきはしなかった。
それも仕方ない、とセシリアは自嘲した。
それはいつものことであり、結局のところ。
「運が悪かったわね、か」
酷く陳腐なで、酷く理不尽で、酷く残酷な。
自身に投げかけられれば、間違いなく逆上するであろう言葉。
そんな言葉くらいしか、黒桐鮮花の運命を形容するべきものは無いのだから。
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幸せですか?
(1063)
(02-10-14 16:45)
空の境界SS・CG大会『魔術師の宴』投稿作品です。
主催、須啓の作品になります。
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ここは、礼園と橙子さんの事務所の中間点にある駅だ。
でも、兄や式のアパートとは、事務所を挟んで反対側にある訳で、余程の用でもない限り、
兄や式―――もちろん私だって、こんな場所にいるはずが無いのだ。
だからわざわざこんな場所を幹也との待ち合わせの場所に選んだっていうのに!!
「なんで、あんたがいるのよ、こら、式!」
言いながら、窓ガラスを叩こうとした自分の手を、寸前のところで私は止めた。
あの野生動物並みの五感を持つ女ならば、ひょっとしたら気付くかもしれないから。
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式のきまぐれ。
(2935)
(02-04-06 02:39)
空の境界のSSです。
式と黒桐のカップルにはまってしまい、勢いで書きました。
彼らの幸せな日常が、どうしても書きたかったので。
SS初心者ですが、よろしくお願いします。
HPを作ってみたのでURLを更新しました。
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恐怖の館。
(2797)
(02-06-30 20:35)
「式乳祭り」SS第25弾です。
「標準派SS」第9弾となっております!
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「―――お化け屋敷なんてどうかな」
実際のところ、式が本当にお化け屋敷で怖がるとは思ってない。
とにかく、式と一緒に遊園地に来れただけでも、嬉しいわけで。
それなら、どれから入っていっても大した問題じゃないだろう。
結局、そんな軽い気持ちで口にした選択肢に、軽く式は眉をひそめた―――ように見えた。
「お化け屋敷?」
「え、うん。嫌かな」
「別に、嫌じゃ、ない・・・けど」
なにか、式にしては歯切れが悪い。
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探偵のお仕事。
(7387)
(02-08-25 21:47)
黒桐君が、生活苦のために遠野志貴の素行調査を引き受けた。
そういう設定の元にかかれた小ネタ集です。
あまり、気にせずに読み流してくれださると幸いです。
今回は3話で、探偵さんの出番はないですが、
「空の境界」と「月姫」でコンビを組ますことをメインにしてみました。
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月と少女と黒猫と。
(3505)
(04-06-11 01:30)
メルブラRe・ActSSです。
さつきとレンのちょっとしたお話です。
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「……猫?」
暗闇さえ真昼の如くに捉える吸血鬼の眼でなければ見落としかねない程に、
夜の闇に溶け込んだ黒猫が一匹、不思議そうな瞳で彼女を見上げていた。
「こんばんは、黒猫さん。
お散歩中なのかな?」
───リン。
また一つ鈴の音。
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月の照らすその場所で。
(3491)
(02-12-23 01:34)
かつて、志貴と青子が出会い別れたその場所で。
幹也と青子が邂逅し、二人は互いの物語を語りあう。
そんな、月蝕をイメージしたSSです。取り合わせとしては珍しいかもしれません。
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「えーと、その・・・こんばんわ。気持ちの良い、夜ですね」
「そうね。一人で風を浴びるには悪くない夜だわ。
でも、二人では多すぎるかな」
にべも無く、無愛想に彼女は言い放つ。
つまりは、僕は邪魔だというわけらしい。
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未来視の女の子
(4731)
(08-01-31 23:49)
ある夏の日に、幹也の死を予言した少女は彼と再び出会う。
瀬尾静音ちゃんと幹也の再会のお話です。
――――――
「黒桐さん、その、目……」
信じたくなくて、「見えていないのか」、と言葉に出来なかった私の問い掛けに。
黒桐さんは、一瞬だけ考えるような目をしてから、それでも静かに首を縦に振る。
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朱い雪の舞う下で
(9087)
(04-11-18 00:42)
アルクTrueEND後のお話です。
互いを夢見る二人に訪れたのは。
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「無事なのか? 無事なんだな?! あいつ! そうなんだな?」
「いいえ、無事じゃないわ。彼女はもうお終い」
手荒く体を揺すられながら、平然たる口調で彼女はそう告げた。
「―――っ、な」
「そんなこと―――あなたは、知っているはずでしょう? 遠野志貴君」
冷たさも、暖かさも。嘲笑も、同情もない。
一切の意図のこめられていない言葉は、それだけに、どうしようもなく絶望を語る。
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橙子さんのおかしな眼鏡
(6346)
(06-10-27 00:06)
伽藍の堂の面々の、騒々しい日常の一コマです。
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「これ、やっぱり魔法の品なんですか? 所長」
「まあね―――っと、そう露骨に顔をしかめるな黒桐。
別に危険な品、という訳でもないんだから」
橙子さんが魔法の品、なんて持ち出してろくな目にあったことがない僕は、
どうやら自然と顔をしかめていたらしい。
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橙子さんの空飛ぶ箒。
(1898)
(02-05-04 17:41)
橙子さんの魔法の箒に、幹也君が連れ去られてしまいます。
それを助けるべく、式と橙子さんは――――。
いつものように、数回のコール音のあと、留守番電話に切り替わる。
流れてきたのは、起きぬけには聞きたくない人物の声だった。
「私だ。起きているか、式。いきなりだが、すぐに事務所までくること。
仕事というわけではないんだが、
不幸な事故でうちの従業員が空に上がってしまってね。
一人では降ろすのに難儀しそうなんだ。
というわけで、起床次第すぐにくること。
来なくてもいいが、放っておくとどこぞの国の対空ミサイルに
撃墜されるかもしれん。
――――ああ別に、それはそれで面白いかもしれないね。
やっぱり来なくてもいいぞ、式」
ガチャンと、電話が切れる。
・・・つくづく思うのだけれど。
やはりあの女と私の思考回路は違いすぎる。
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残留境界 /3
(3174)
(03-12-10 23:26)
痛覚残留後の藤乃を巡るお話です。
彼女の影で蠢く魔術師達は。
─────────
「いつか───、思い出せるのですか───?」
記憶も。
そして、痛み、さえも───?
「ええ。そうですね。
無くしてしまったものは戻りはしませんが、
忘れてしまったモノはいつか必ず返される。君が───」
玄霧先生は、とても穏やかに。
でも、とても哀しげに微笑んで。
───そして。頷いて。言った。
/
「───君が、それを───望みさえ、すれば」