□ 手編みのマフラー (2220) (02-10-01 17:01)
強かった陽射しも穏やかになり、秋が深まり行く日のことであった。
翡翠はマフラーを編んで志貴に贈ることを思いついた。
しかし手先が不器用なので、琥珀の力を借りることにした……。
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強かった陽射しも穏やかになり、秋が深まり行く日のことであった。
翡翠はマフラーを編んで志貴に贈ることを思いついた。
しかし手先が不器用なので、琥珀の力を借りることにした……。
さつきは遠野家の屋敷の周囲をぐるぐると歩いていた。
別に志貴に用があって来た訳ではない。
「この屋敷に遠野くんが暮らしてるんだ……」
羨望と憧憬を込めて、さつきは豪奢な建物をながめていた……。
志貴が学校の廊下を歩いていると、前から青い洋服を抱えたシエルが歩いてきた。
「先輩、その洋服はなんですか?」
志貴はシエルの持っていた青い洋服を見て尋ねた。
「これですか? 今度、生徒会が主催する劇で着る衣裳です」
答えたシエルはなぜか上機嫌だった……。
志貴が自室で読書をしていると、秋葉が入ってきた。
「あら、兄さんが読書なんて珍しい。何の本を読んでるんですか、兄さん?」
兄の珍しい読書姿を見て、秋葉は感心していた……。
さつきのいるクラスで人気投票が行われていた。
さつきはクラスの男子の過半数の票を集めて、一位だった。
しかしさつきにとって一位という順位は意味のあるものでなかった。
「遠野くん、わたしに入れてくれたかな……」
問題なのは志貴が自分のことをどう思っているかである……。
志貴と秋葉は夕食後、茶を飲みながらくつろいでいた。
「そう言えば、最近、近所の川にアザラシが現れるんですってね」
琥珀がニュースの話題を振った……。
「その呼び方、やめてくれないかな。わたしだって志貴くんって
呼んでるんだから、志貴くんも名前で呼んでくれないと不公平だよ」
殺人を責められながら、さつきは自分の呼称に拘った……。
夕食後、志貴は秋葉の晩酌に付き合わされていた。
秋葉は酒の肴を持って来させるために琥珀を呼んだ。
風邪を引いて床に臥せっている琥珀の代わりに、翡翠が現れた……。
志貴とシエルは学校の食堂で昼食を取っていた。
もちろんメニューはカレーである。
食堂に設置されたテレビでは朝のニュースをビデオで流していた……。
「どうやったら遠野くんの目を向けられるかな……」
さつきは鏡を見ながら、志貴の目を引く方法を考えていた……。
有彦の家に遊びに来ていた志貴は、ベッドの下にエロゲーを発見した。
パッケージに描かれていた少女たちの姿は予想以上の幼さだった。
パソコンを持っていない志貴は、ゲームの代わりにリアルおるすばんに
挑戦することになった……。
7/5 完結編(おいしゃさん編)を公開しました。
志貴が厨房に入ると、中で琥珀が自家製
ソーセージを作っているところだった……。
「兄さん、私のお酒が飲めないと言うのですか?」
遠野家の屋敷での酒宴で、秋葉は志貴に絡んでいた……。
「志貴さん、夕食は何が食べたいですか?」
「姉妹丼がいいな」
暖かさが暑さに変り始めた初夏のある夜のこと、
志貴が寝ていると耳障りな音が聞こえてきた。
「もう蚊が出てきたのか。蚊取り線香を出さないといけないな」
志貴は屋敷の中を探してみることにした……。
一応、当サイトの50万アクセス記念SSとなっています。
志貴はシエルにあるキャラクターの
コスプレを依頼した……。
全ての事件が片付いてからしばらく経った日のこと、
志貴は翡翠を買い物に行かせた。
そして、これまでの経緯を聞くために
屋敷の庭の大木の下に琥珀を呼び出していた……。
志貴はさつきに血を吸われる直前に、
心臓の死の点にナイフを突き立てた。
灰になっていくさつきを下から支えて
いた志貴の体に布が落ちる感触があった……。
アルクェイドはマーブルファンタズム(空想具現化)で
さつきを閉じ込める檻を出現させた。
さつきの取った起死回生の手段とは……。
「志貴ぃ、遊びに来たにゃー」
志貴の部屋に猫化したアルクェイドが遊びにやって来た……。
ある日の夜、買い物ついでに志貴が公園を散歩していると
一本の桜の樹が目に入った。
「きれいな桜だな」
沢山ある桜の樹の中で、それは特に志貴の目を引いた。
志貴は足を止めて桜に見入った……。
「琥珀さん、何してるんですか?」
「資産運用に関する記事をスクラップしてるんです」
遠野家では酒宴が開かれていた。下戸の志貴は秋葉に
水割りを作ってもらうことにした。
「どの水で割りますか? 六甲、南アルプス、
ほかにも色々な場所の水がありますよ、兄さん」
志貴が選んだ水は……。
秋葉が浅上女学院から転校してきた初日、中庭で志貴と有彦と一緒に
昼食を取ることになった。
「秋葉ちゃんのいた学校って、やっぱり帰国子女は多いの?」
昼食時のひととき、有彦が秋葉に尋ねた……。
志貴はレンの首筋を掻いてやった。
自分の足の届かないところを掻いてもらって、
レンはとても気持ちよさそうだった……。