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「IBRU」 (3329) (08-08-24 03:24)

_http://www5f.biglobe.ne.jp/~riuichi/  (archive)   作者:隆一
Fate/stay night>シリアス | 金ピカ 短編連作

英雄王とエンキドウの過去話です。ウルクでのある日の出来事。短編・ややシリアス。中編です。
中盤に残酷な描写が含まれますので、苦手な方はご注意を。

<以下本文より>
 楽の音はいつの間にか止んでいた。奴隷達が下がった部屋は、先ほどまでの華やかさが嘘のように閑散としていた。入り口には分厚い布が掛けられて一切の光を遮っている。
 外界と隔絶された場は、音すら入り込まずに奇妙にしんと静まり返っていた。卓のあちこちに灯りとして置かれた小さな篝火が、暗い部屋の中を仄かに赤く浮き上がらせている。壁に映し出された人影がまるで昔話に出てくる人を食う悪魔のように、炎の揺らめきに逢わせて背後で不気味に踊っていた。

「ギルガメッシュ英雄譚」 (187545) (08-06-14 09:01)

_http://www5f.biglobe.ne.jp/~riuichi/  (archive)   作者:隆一
Fate/stay night>バトル | 長編連載中 Fate全般 遠坂凛 金ピカ

もしも凛が赤い騎士ではなく、金の英雄王を召喚していたらという再構築物。青い瞳の黄金王のお話。
45話目「境界線 −border line−」をUPしました。

(以下本文より)
正直、彼女にどうやって接すればいいのか、その答えを、私は今だに掴めていない。
今さら何もなかったかのように付き合うには、10年の月日は長すぎた。
それに、間桐とは不可侵の条約がある。根源を目指す別の魔術師として、私たちはお互いに軋轢を生まないように、一定の距離をおかなくてはならない。それは、一つの地に全く異なる二つの派閥が共生するために、必要不可欠なルールだ。────だから、私は彼女と仲良くなってはいけない。

『夢の終わり、この世の果て』 (2113) (08-04-21 08:14)

_http://www5f.biglobe.ne.jp/~riuichi/  (archive)   作者:隆一
Fate/stay night>シリアス | 短編読切 ライダー 金ピカ

Zero読了記念の感想文です。
Zero終了後の、英雄王ギルガメッシュと征服王イスカンダルのそれぞれの物語。


<以下本文より>
幾度も幾度も繰り返し読んだ本が、ページを捲り返すごとにまた新たな発見をさせて自分を楽しませてくれるように、この世もまた、いつまでもいつまでも繰り返し自分を楽しませてくれるのだろう。
そこに二つとして同じ思い出はない。
年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず。人は変わり、花は変わらず。しかし、花とてやはり変わるのだ。以前に咲いた花と、今咲く花は、同じに見えて決して同じではない。

同じ時は二度巡らない。
全てが同じに見えても、それはやはり、まったく違うものなのだ。

「シーブ・イッサヒル・アメル」 (1433) (07-12-26 04:22)

_http://www5f.biglobe.ne.jp/~riuichi/  (archive)   作者:隆一
Fate/stay night>シリアス | 短編読切 金ピカ

英雄王の過去話です。
蛇と霊薬と英雄王のお話。

(以下本文より)
それは友が死んでから、長い間捜し求めていた究極の宝だった。それを口にすれば自分は紛う事なき不死を得られるだろう。これこそ、この世の全てを手にした自分にとって、唯一手に入れていないもの、ただ一つ、何もかも捨ててまで欲しいと痛烈に思い、そしてなりふり構わず求めたものだった。

ウルクの黄金王(後編) (2499) (05-03-17 19:03)

_http://www5f.biglobe.ne.jp/~riuichi/  (archive)   作者:隆一
Fate/stay night>シリアス | 短編読切 独自キャラ 金ピカ

ギルガメッシュの過去話・ウルク王時代の物語です。
北にあった都市・キシュとの攻防戦のお話。
独自キャラのエンキドゥが出てきます。後編・完結です。

(以下本文より)
「なんだ、エンキドゥ。お前がここに来るとは珍しいな」
 珍しい来客に、王はおかしそうにそう笑った。確かに彼の指摘するように、エンキドゥはこの部屋を嫌い、普段はあまり近づかない。
「お前がいなかったら俺がここに来る理由はあるまいよ。使者が戻った」
 そう言って、エンキドゥは手にしていたラピスラズリをギルガメッシュに放った。それを片手で受け取り、王は視線だけ彼に向けて短く言った。
「首尾は?」