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全男子渇望のイベント1
(7475)
(04-04-27 01:31)
ひっそりと現れた人の気配に目を開けると、枕元で俺を覗き込む人影がある。
いや、人影なんてあいまいなモノじゃない。見当はすでについていた。
何より、俺がそうである事を望んでいた。
それはこの十年間ずっと俺の側にいてくれた人。
俺を見守り、そして俺がずっと見続けて来た人。
確かめる為に名前を呼ぶ。
それは――
「……藤ねぇ?」
「うん。こんばんは士郎」
権兵衛党さんによる西奏亭への贈り物ですが……。
藤ねえじゃむにゃむにゃと云う方に読んで貰いたいです。
いいです、凄く。思い入れが溢れています。
それと「月姫」は○○だったのに「Fate」は……と嘆いた方にも。
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友達の彼女
(6832)
(04-04-27 01:24)
「あの、雌狐めがあああーーーーッッッ」
ドアを開けるが否や、今まで悠然たる姿で廊下を歩いていた元生徒会長の口か
ら咆哮が迸る。
「聞け、衛宮……、また、あの……」
しかし、ぴたりと勢い込んだ言葉が止まる。
開けた口はそのままに、動きすら停止している。
肩書きを次へと渡してなお、実権の幾ばくかを握っている柳洞一成をして、こ
んな状態になるのは、極めて珍しい事だった。
それほどの、予期せぬ光景が一成の前に広がっていた。
桜エンド後の日常物です。
一成と士郎とのやり取りを描きました。
学校舞台ですが、桜のお姉さんは出て来ません。念の為。
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率直に凛様膣痙攣になる
(16839)
(04-04-24 00:34)
して、何故このような講釈を冒頭にたらたら述べ続けているかというと、
むろんこれはこれから明かす重大事実の前フリにすぎない、
なんと、我らが凛様がこの膣痙攣を引き起こしてしまったのだ。
むろんその陰部はカラの仰向け器というワケではなく、
愛する士郎の男性自身がライブで入れられているスンポーであるから、
さあ大変。
ちなみにライブ=今、
ライブ=生、
意味多重、
タイトルで全ての紹介になっている気がしますが……。
とんでもない事態から始まる、尋常でない展開。
お楽しみください。 西奏亭への贈り物です。
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終わりて後の
(5427)
(04-04-22 00:21)
で、あるのに、唐突に志貴から発せられた言葉は、そんな二人の共有体験に
異を挟むようなものであった。
同じ言葉でも、志貴が違った態度であれば、秋葉はあっさりと一笑にふした
かもしれない。あるいは頬を膨らませ、軽く拗ねるような仕草を取ったかもし
れない。
しかし、今の志貴は、秋葉に不安をもたらせた。
志貴にしてからが、言い出し難そうな、内心の疑問を隠せども隠し切れぬ、
そんな表情をしていたから。
秋葉と志貴との交歓のひと時。
しかしその後で、志貴はある問いを口にする。
それは……。
終始ベッドの中のお話です。甘々。
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六道遊化
(1000)
(04-04-12 00:18)
焦燥の念に駈られてもおかしくはない時に、男は悠然と心身を律していた。
僅かに瞳に憂愁を滲ませるのみで。
「我が事終わるか……」
呟く声は静かであった。
諦観の色を含み、それでもなお澄んでいた。
空を眺めていた視線を下げる。
己が腕を手を見つめる。
体を、足を見つめる。
佐々木小次郎という名を与えられた体を見つめる。
某企画用として書いたものですが、一時退避で自サイト掲載。
セイバールートでの主死亡後の姿を描いております。
とりあえずはまっとうに、書いています。
どう映るのかは別として……。
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色、混ざりて
(1877)
(04-04-06 04:37)
いつものように朝を起きると、琥珀が戸を叩く。
不思議なことに、琥珀は私が起きる時間を、予測出来るようなのだ。
ほとんど時間差無く、叩かれる音は、しかし、いつもよりも興奮気味だった。
「秋葉さま、外を見られましたか?」
そう、窓に映るのは、ちらほらと降り積もる雪。
比較的雪が多いこのあたりでも、こんなふうに積もるのは随分と久しぶりだ
ろう。
なにせ、昨夜はまったくと言っていいほどの快晴だったのだから。
雪の朝の遠野家の情景。
ちょっとした小道具を用いて、鮮やかに秋葉と志貴を描いています。
ぜひ味わってみて下さい。(西奏亭への頂きものです)
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酒精に漂う
(3135)
(04-04-06 03:56)
そうだ、酒を初めて呑んだのは、ここでだった。
唐突に思い出して、目を天井に彷徨わせて、少し、記憶を掘りおこす。
茫然とした顔で、盃を持ち上げたまま、俺は考えに耽る。
ああ、そういえば、秋葉が考え事する時にはちゃんとそういう顔をして下さ
いって、小言を言っていたっけ。
横からそんなことを思い出しながらも、俺は過去を振り返っていた。
酒という小道具を使っての、志貴と一子さんのお話です。
独特の語り口での、何ともいえない雰囲気が醸し出されています。
IFS (Ichiko Festa in Seisoutei) 実行委員会を通して西奏亭に
頂きました。
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病臥に惑う
(10254)
(04-05-13 01:47)
凛グッドエンド後日談。
夢見るおひめさまと、苦悩するおうさま。
―――その匙を見て、ふと思った。これなら或いは、もしかして。
差し出される茶碗。伸びだしそうな手を抑え、視線を合わせず俯いて。
『―――桜?』
『……先輩。腕に力が、入りません』
……どうかすると、最近は埒も無い思いが頭をよぎる事さえある。朝から晩まで弛み切り、縦に横にと転がる毎日。愛しい人は傍らに。望みがあれば叶えてくれて、出て来る料理は芸術の域で。
―――これこそ、真に王の暮らしなのではなかろうか、と。
懐剣は何より胸に近く在る、と言う話。
加筆修正の上、『西奏亭』様にお預かり頂いております。
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電話を受けて
(5954)
(04-04-03 00:11)
はい、遠坂……、なあんだ、士郎か。
え…、冗談よ。この電話だとほとんど知っている人いないし、最初からもし
かしたらと思ってた。
うん、そう。
ええと……、そうね、1週間近く経ってるわね。
ちょっと没頭してた。
ごめんなさい、指導を怠って…、いい? そんな事ないわよ。
約束だし、これはわたしの義務なんだから。
その分、びしびしやらないといけないわね。
なにを怯えているのかな、つけを回すなって、ふうん、そう思ってたんだ。
あ、露骨に話題を変えようと…、そうじゃない
遠坂家に掛かってきた、士郎からの電話。
それを受ける凛。
凛グッドエンド後での、出来事です。
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Anemone
(7334)
(04-03-31 06:22)
そこで、ようやく思い出す。
彼女の存在を。
忘れるはずもない。自分にとって、彼女がどれほど特別なのか語りきれない
ほどに、大きなものとして存在している。
ゆったりとした足どりで寄ってくる彼女。
改めて彼女へと向き直り、そっと微笑みながら頬を撫でるように手を伸ばす。
「――――セイバー」
だが。
穏やかな声とは裏腹に、指先はそっと彼女の身体をすり抜け、そのまま彼の
身体を文字通り通り抜けていった。
まるで、夢か幻のごとく。
西奏亭への頂き物(というか、強引に頂いて……)作品です。
アーチャーとセイバーの再会のお話。
独特の設定を綺麗に描かれています。
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その選択の果て
(15457)
(04-03-28 22:20)
こうなったのは俺の責任だというのに、その結果を見届けねばならないのに、
俺は視線をそらしてしまっていた。
けれど。
「あなたは衛宮士郎を愛している、と言ったのにね。片思いだったみたい」
耳に入ったのはやはり楽しそうなキャスターのその声。
意味を理解するのに数秒かかった。
「――な、に?」
その台詞に思わず顔を上げていた。
凛シナリオの、さる分岐からのお話。
権兵衛党さんが、藤ねぇへのあらん限りの想いをぶつけた作品です。
故あって、この力作を西奏亭に頂いております。
読んで下さい。思い入れをもって書く事が、どれだけ作品を活かすのかを。
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お願い
(12943)
(04-03-25 00:20)
「今日は遠坂にしたい事あるんだけど」
本格的に始める前に、言い差しておく。
相手の顔が正面にないのが少し間抜けで、少しありがたい。
胸に当たっていた柔らかい感触がもそもぞと位置を変える。
脇から背に回されていた手が、少し力加減を変える。
「ふうん、何かしら?」
肩の辺りにつけられていた遠坂の額が動く。
抱き合ったままの格好はそのままに、首だけをこっちに向ける。
士郎がした、凛へのお願いとは?
捻りなく、畳1畳で終始してしまうお話です。
ちなみに後ろなお話なので属性外の方はスルーして下さいませ。
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りずせら
(4951)
(04-03-25 00:14)
「リズ、貴方掃除はやったの?」
「……どうせまた散らかる、だから、いっその事散らかったままで」
パンチでグー
といったお話がたくさん収録されております。
もともとは、しゅらさんがご自身のサイトで不定期掲載されたもので、
ご好意でまとめて頂き、西奏亭に掲載しました。
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別離
(1875)
(04-03-21 01:13)
誰もいない衛宮の家は、寒々しいものだった。
こんなに静かで、こんなに冷たかったんだ。
ぼんやりと考え、そして思い直す。
これが普通だったのだと。
別に目新しいものではない。
ほんの少し前までは、いつもこうだった。
ここに住んでいるのは自分だけ。藤ねえや桜はあくまで、帰るべき場所が他
にあった。
夜は一人なのが当たり前。
なのに、なんで一人でいる事に、こんなにも違和感があるのだろう。
桜シナリオのさるエンド後のお話です。
明るいお話ではありませんが……。
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不器用な姉
(12715)
(04-05-24 01:29)
桜トゥルーエンド閑話。アンリ・マユ以後、蒼崎橙子以前。
眠りは浅かったのか、むずがる様な声を少女が上げる。
慌てて手を離し。その睫毛が震え、ゆっくりと眼を開いて。
「―――あ。おはよう、ライダー」
「―――おはようございます、士郎」
まだどこかぼんやりとした、寝起きの少女に挨拶を返した。
その、心細げな涙目は妙に保護欲を刺激する。気付かれぬ様、僅かに抱きしめる力を込める。
暖かく、柔らかな感触が彩度を増した。
―――役得と、言うのだろうか。こういうのも。
加筆修正の上、『西奏亭』様にお預かり頂いております。
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小春の日和、甘苦し
(7783)
(04-05-13 01:36)
セイバーエンド後日談。
(『スウィートビター・メイプルシロップ』改題)
その日少女は、街往く中で珍しいものを目に留めた。
「……甘いもの、嫌いって言ってたけど」
指先に付いた餡子を舐め取る。あれから仲良く二匹づつ、袋の中身を片付けて。
「気に入ってもらえて、良かった」
にやにやと―――自覚はしてるが、抑えられなかった―――彼女を見やる。熱いお茶缶を握り締め、恥ずかしそうに俯く彼女。
クール・ビューティーな外人さんが、三口で鯛焼きを片付ける姿と言うのも。中々見れない、観物だった。
「……その。美味しかったもので」
加筆修正の上、『西奏亭』様にお預かり頂いております。
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「妹」&「被写体」
(1869)
(04-03-18 00:38)
通り過ぎる冷たい風のせいで息を白く吐き、肩を上下させながら、一所懸命
に歩いている。
意地っ張りな妹だから、合わせてくれなどと言うことはない。
黙って、不機嫌になりながら、顔を真っ赤にさせてついてくる。
それを見ずとも、俺にはわかる。
そんな秋葉の様子が。 (「妹」より)
秋葉を描いた二つのお話です。
短いですが、雰囲気が素晴らしくて、読み終わっての満足感があります。
西奏亭への頂き物です。
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胸中、穏やかならず
(17921)
(04-05-07 08:18)
セイバーエンド後日談。
ぶるぶるとふるえてゴーゴー。
「桜さんなら大丈夫だと思うよ。料理も上手いし、綺麗だし。……大きいし」
「……はい」
最後の言葉に、思い出してしまう。誉めてくれるのは嬉しいのだけど。
―――三枝先輩。
上には上が、いるんです。
「ところでイリヤ」
「なに?」
「料理に一番重要なもの。何か分かる?」
七センチの憂鬱。
※こちらの投稿掲示版に掲載されていたものを見直し頂いた上で、西奏亭に
転載致しております(うづきじんさんの部屋に掲載)
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天抜き競作・カゲロウ篇
(1953)
(04-03-08 00:18)
イリヤと藤ねえがカゲロウを眺めて……という形を基本フォーマットとしての天抜きです。
真さんを皮切りに、参加者14名、作品数34本。
参加者:真さん、しゅらさん、倦怠感さん、MARさん、山口 遼さん、
瑞香さん、 阿羅本さん、jinroさん、てぃーげるさん、
BBCさん、須啓さん、神無さん、Syunsukeさん、しにを
追加分として、Jinroさん、西紀貫之さん、しにをで9本。
似て非なる書き方など、お楽しみください。
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呪い
(3367)
(04-03-03 06:08)
今までの私ならば文句を言えず、打たれ続けただろう。
けれど、今は、否定する。
この呪われた運命を憎悪する。
けれど、何が出来よう。
私は―――
その時だった。
立ち尽くし、ただ宗一郎様を見つめていた私の、停止状態を破った闖入者。
雷の如き怒りの声。
罪を告げる言葉。
「キャスター―――貴様、主に手をかけたな……!!」
声に顔を動かすと、苛烈とも言える瞳が私を睨んでいた。
ああ、と瞬時に悟る。彼女が何を見たのか。彼女がどう認識したのか。
桜ルートにおけるキャスターのお話です。
あの場面を、キャスター視点で描いてみようといった趣旨になっています。
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りずせら
(10560)
(04-05-07 08:17)
セイバーエンド後日談。
時に同じくして想いは暴走する、という話。
「私たちは人間じゃない。軽々しく人の街に降りて行って、もし何かあったら」
「……イリヤにせがまれて、ケーキ買わせに行かせた癖に」
「セラ。イリヤの為」
まほうの呪文を唱える。
『―――だから。理想は理想として、それとは別に。現実に伴侶がいても良いと思うの』
『あ、シロウが望むのなら逆でも良いよ。私が人形になってあげる。可愛がってくれるのならね』
―――ようこそ。エミヤシロウ。
※こちらの投稿掲示版に掲載されていたものを見直し頂いた上で、西奏亭に
転載致しております(うづきじんさんの部屋に掲載)
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甘味に咽る
(9537)
(04-05-07 08:14)
凛グッドエンド後日談。
小春日和の昼下がり、平和な休日の一幕。
悲しげに、何も乗っていない皿を見つめる少女。
どこか微笑ましい光景に、口元がほころんで。
「モンブランとアメリカン。―――二つずつ」
財布の紐も、綻んだ。
「良かったら、どうぞ」
少女は。信じられないものを見る顔で、こちらを呆と睨みつけ。
「―――カネ。貴女は、良い人だ」
「……それはどうも」
一介の女学生が騎士王と(で)遊ぶ話。
※こちらの投稿掲示版に掲載されていたものを見直し頂いた上で、西奏亭に
転載致しております(うづきじんさんの部屋に掲載)
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慎ましやかに桜呼ぶ
(10034)
(04-05-07 08:16)
桜トゥルーエンド異聞。
マテリアル以外に救いの無い、彼の物語。
「……やあ、久しぶりだね。ライダー」
高いだけでひ弱な体躯。涼し気に見えて卑屈な眼。器用にも増長と劣等感とを混合させた、その口調。
頭の先から爪の先まで、一から十まで気に障る。
「お久しぶりです、シンジ。覚悟は良いですか」
これだけ大きい屋敷なら、きっと悲鳴は漏れないだろう。
「ちょ、ちょっと待」
取り敢えず。死なない程度に、自慢のすかし面を一発殴りつけてみた。
※こちらの投稿掲示版に掲載されていたものを見直し頂いた上で、西奏亭に
転載致しております(うづきじんさんの部屋に掲載)
「Fate」キャラ全般(一部他作品キャラ含む)による、天抜き連作です。
いろいろ多彩な作風、はっちゃぶりも素敵です。
ネタバレいろいろですので、完クリ後に堪能ください。
今回は第7弾を公開。
50本。ゆっくりお楽しみください。
西奏亭への頂きモノ、暑中見舞いとして贈られました
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紫の桜、茜の柳
(9464)
(04-02-24 02:44)
……何かおかしな事を言っただろうか?心の内で首を捻る。確かにあの二人
は良くつるんでいるらしいが。変人同士気が合うのだろう。
「知らんのか?―――いやまあ、或る意味その方が健全なのだろうが」
あ、本当に珍しい。『何かを言い淀む』美綴綾子の姿なんて、『怒りに我を
忘れる』間桐桜くらいにはレアだ。と言うか、初めてかも。
「知らないって何が。あいつらが相思相愛だとでも言いたいわけ?」
軽口を返す。
―――と。綾子は、眉を顰めてこちらを見返してきた。
「何だ、知ってるんじゃないか。人が悪いぞ、遠坂」
セイバーE後の日常、多数キャラを活き活きと描く手腕が素晴らしいです。 西奏亭への頂き物