□ 黒いライオン (5973) (06-02-21 05:03)
「うーん、今日は寒いなあ」
士郎は食器棚に立てかけてあった最後の一枚の皿を拭き取って戸棚に仕舞い込んだ。
セイバーは居間で、ニュースの株式欄を見ながらしずしずとお茶を飲んでいる。
ひらひらとフリルのついたワンピースを着ている姿はまるで西洋人形のようだが
湯飲みを片手にみかんの積み上げられた炬燵に足を伸ばしている姿は、どうにもミスマッチとしか言いようがなかった。
時間は6時45分丁度。
食事に時間を掛けない『あの』セイバーならではの速やかな展開によって
俺とセイバーの二人っきりの夕食は、調理から片付けに至るまでわずか15分で終了したのである。