■ 奇妙な夢は泡のように儚く (9293) (08-12-24 01:17)
そんな時――カタン、と微かな音がした。
「?」
始めは、桜が部屋の前に来たのかと思った。まだ、正式に結婚していない以上、同じ部屋で寝るのは流石にどうかと思い、寝所は別々にしているのだけど……どちらかが、どちらかの部屋へと愛を語らいに来るのは珍しいことではない。
だったら話は別だ。明日辛くなるとか、そんな事は問題じゃない。俺も桜も、こういう事は妙に気恥ずかしくて最近はご無沙汰だったのだ。だから、密かに、夜な夜な心待ちにしていた彼女の気配に、俺は若干体温が上がるのを自覚する。
「……?」
以前、寄稿したSSです。18禁。
出演キャラは、士郎と黒セイバーです。